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癒しの休憩室

癒しの休憩室

詩)サマータイム



サマータイム



「サマータイム」



気分が沈む夜は、


ジャニスを聴くに限る。

誰とも話したくない


そんな夜が、

一年のうちに三回はある。

我慢していれば
やがて
通り過ぎる、

それだけのことだよ。

雷みたいなもんさ

勝手にどこかに堕ちては消えていく。

気にするだけ無駄だよ。

耐えきれないくらいの長い夜には、

「ほんとうの唄」を聴いていよう。

ジャニスに

また逢いに来た。

じっとしているんだ。

ぱっくり開いた傷口が
閉じるまでの
辛抱だ。



喉が渇いたのなら、

気がつかれないように

水を汲みに行けばいいさ。


それだけのことだよ

たいしたことじゃない。


今度は、じっとしているんだ。


「ほんとうの唄」を聴けば

たとえ、みすぼらしくても

ひとりで立ちなおる用意ができる。

何回でも立ち上がるさ。


みずからの腕の傷口を撫でながら、

ここは辛抱の夜だよ。



一年に三回だけの

ことさ。



あぁ、

どこにいるんだよ?

雷が続く、

こんな長い夜に

懐かしそうに、

僕の指に指をからめて


微笑んでくれた人。

稲光を浴びながらも、


「死んじゃうかと思ったわ」と

涙を浮かべて、

そっと、

抱きついてくれたひと。












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